『翻訳地獄へようこそ』宮脇 孝雄

積んであった蔵書から早く読めと言う声が聞こえてきたので、読みました。一年以上熟成したような気がするのですけれども、さあどうでしょう。

かなりたくさんの参考文献・辞書が乗っていて、必ず再読した上で全部制覇するぞ、と誓いました。

私の生業は通訳案内士ですが、派生業務として通訳もどきや、知人の個人輸入業に関わるビジネス通訳・また、翻訳、字幕翻訳も担当します。

また、個人的には文学畑の出身であることから、文学作品の翻訳には強い興味を抱いています(それが高じて放送大学大学院に出願してるわけだし…。)

柴田元幸さんのポール・オースターの翻訳に魅了されて以来10年ほどになるのでしょうか、この夏、久々に、原作・翻訳を読み比べてみて、自分でも実験してみようとして途中で力尽きました。出版翻訳の労力にはただただ舌を巻くばかりです。(決して他が楽という意味ではないです。)

どの表現が最もしっくりくるのかを探る営みは苦しいけど楽しいし、ひらめいたと思いきや、大したことがなかったり、また逆に心に残るものであったり、そういった言葉との一期一会が翻訳にはあります。そしてそれが物語全体に大きな印象を与えたり、分析の手掛かりになるんだと思うとゾクゾクします。

その一期一会を大切にするための必須アイテムが辞書。私は辞書を通読していないのが心にずっと引っかかっています。観光英日辞書なら、とチャレンジしてみたものの、Aの項目で終わってしまいました。今までに読んだことがあるのは、子供用のことわざ大辞典と、星座の大辞典、血液についての辞典(?)ということになります。

これでは言葉を操るものとしてスタートラインにすら立てていません。
自分の言葉が正しいのか正しくないのか、人にどのような印象を与えるのかということに無頓着なまま、他者と関わっていくことなど言語道断。

日本語・英語・ロシア語において、ふさわしい言葉遣い、正しい言葉遣い、くだけた言葉遣い、そして印象的な言葉遣い、リズム感を操れるようになれたら、と夢見るばかりです。

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